住宅用の補助金について

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Nattanan KanchanapratによるPixabayからの画像

こんばんは。
今日はタイトルの「住宅用の補助金」について書いてみたいと思います。
内容としましては、

  1. どんな補助金があるか
  2. 補助金を利用する際の注意点
  3. 上記を踏まえた「上手い補助金の使い方」

の流れでお伝えいたします。

このブログを見てくださった方々には、ブログを通じてうまく補助金を活用して頂きたい、そのきっかけの文章になっていれば幸いです。
※記事中で紹介する補助金は鳥取県の補助金になります。他地域の方におかれましては、「自分の地域にもこの補助金があるかもしれない」といった形で参考にして頂ければと思います。

では、さっそくどのような「住宅用の補助金」があるかを見て頂こうと思います。
補助金を探して行政のホームページをご覧になったことがある方はご存知かもしれませんが、一口に補助金と言っても、その数・種類は非常に多いです。
聞き慣れない字面に抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

弊所が属する鳥取県では、「住宅用の補助金」としては、下記の4種類に分けられる補助金がありました。

  1. 省エネ系
  2. 地場の産業振興系
  3. 安全対策系
  4. ハイブリッド型(複合型)

それぞれの補助金の内容に触れながらご紹介したいと思います。

1.省エネ系

名称:とっとり健康省エネ住宅改修支援事業補助金(注1)
概要:「とっとり健康省エネ住宅」に改修する場合に、工事費の一部を助成。(補助条件に県内事業者の施工であること、県産材活用あり)

とっとり健康省エネ住宅/とりネット/鳥取県公式サイト
鳥取県公式ウェブサイト とりネット

名称:鳥取県小規模発電設備等導入推進補助金(注1)
概要:県内に小規模の発電設備等(太陽光発電、家庭用燃料電池、薪ストーブ等、定置用蓄電池、電気自動車等充給電設備)を導入する事業を対象に費用の一部を助成。

県内市町村の小規模発電設備等への助成制度/とりネット/鳥取県公式サイト
鳥取県公式ウェブサイト とりネット

近年では、省エネ・環境問題に関連した話題は耳にされたことがあるかもしれません。住宅の断熱性能の向上や、設備投資としてクリーンな発電設備に対する補助が為されています。新築を検討される方の中には、蓄電池の設置を検討されている方も居られると思いますが、蓄電池の設置に関しても省エネ系の補助として助成されています。

2.地場の産業振興系

名称:とっとり住まいる支援事業補助金(注1)
概要:県内の木造住宅の新築又は改修で、県内事業者の施工で県産材を活用した場合に、建設資金の一部を助成。

とっとり住まいる支援事業/とりネット/鳥取県公式サイト
鳥取県公式ウェブサイト とりネット

県内の業者、県産材といった言葉がキーワードです。それぞれの地域で同様の補助金は用意されていると思いますので、ぜひ自治体のホームページを確認されてみてください。

3.安全対策系

名称:がけ地近接等危険住宅移転事業補助金(注1)
概要:がけ地等で危険地域と指定される区域内に建っている住宅を安全な場所に移転する費用の一部を助成

がけ地近接等危険住宅移転事業/とりネット/鳥取県公式サイト
鳥取県公式ウェブサイト とりネット

がけ地に関しては、近年の豪雨災害を受けてのこうした補助金を出される自治体は増えています。概要に記載した”危険地域”の指定もここ数年で増えていますので、お住まいの地域ががけ地という方は地域に指定がされているかのご確認をおすすめします。
また、自治体によっては耐震改修関係の補助金が出されているかもしれません。

4.上記のハイブリッド型(複合型)

名称:とっとりグリーン住宅応援キャンペーン事業補助金(注1)
概要:県内事業者による県産材活用と省エネ住宅の建設に要する資金の一部を助成。(地場の産業振興+省エネ)

サーバエラー/とりネット/鳥取県公式ホームページ

名称:とっとり未来型省エネ住宅特別促進事業補助金(注1)
概要:県内事業者の施工、県産材の活用、太陽光発電等の再エネ導入によりゼロエネルギー化された「とっとり健康省エネ住宅」を新築する場合に、工事費の一部を助成。(地場の産業振興+省エネ)

とっとり健康省エネ住宅/とりネット/鳥取県公式サイト
鳥取県公式ウェブサイト とりネット

複合的な内容となっている補助金です。鳥取県では、省エネと地場の産業振興の内容がみられました。

ざっくりですが、補助金の種類についてご紹介させて頂きました。
補助金の種類として、上記以外に挙げるとしたら、技術系(新技術や技術伝承)の補助金でしょうか。鳥取県では企業を対象にした助成が行われていました。
補助金の概要を併せてご覧頂くと、近年の状況に踏まえ、未来の暮らしを守るための補助金であることも分かって頂けるのではないでしょうか。

しかしながら、あるもの(補助金)は使え、と簡単に結論を出してほしくないと私は考えております。私自身、「こういった補助金がある」という知識はありましたが、実際の仕事ではあまり利用したことはありませんでした。

私のブログを見てくださった方には、その意図が何かを注意点としてお伝えできればと思います。

1.補助額は建設費等の一部です。

基本的に補助金は費用の一部を助成してもらう制度です。
大抵は、「工事費の○%」といった形で補助額の範囲が定められています。
ご利用予定の補助金の内容をお確かめ頂くか、担当者にご相談の上、どの程度の補助が出るかをご確認ください。

2.必ずしも補助額の上限が助成されるわけではない。

1の「工事費の○%」と絞られた補助額は、さらに少なくなる可能性があります。
それは補助対象工事というものが定められいているケースです。この確認のために工事見積りの明細等の提出を求められ、明細と補助対象工事はきっちりと照合されます。
補助額が「工事費全体の○%」と思っていたところが、「補助対象工事の○%」となるわけです。

補助額は、工事費調整中であれば工事見積りによって変動しますし、補助対象工事の面でも工事内容に応じて変わってきます。
見積りの記載方法が悪く、補助対象工事であるかが補助金の担当者に分かってもらえず、補助額が目減りすることも十分に考えられますので、お気をつけください。

3.補助金利用の目的が足りない資金を補う場合、補助金は将来を見据えて…

最後の3点目が、ランニングコスト(将来の維持管理費用)についてです。
ここが一番注意して頂きたいポイントです。

注意点としては、”資金計画上、将来的に費用が発生するタイミングで出費が可能か”という内容になります。

詳しく説明していきます。
建築材料も設備もいつかは老朽化して十分な性能を発揮しなくなります。特に設備関係については、その設備がないと住宅が設計段階の省エネ性能を発揮しなくなるような機器もあります。その性能を維持しようと思うと、改修や設備更新が必要となってきます。
改修時に改めて補助金を利用するにしても、前述の通り、補助額は工事費の一部で、必ず手出しの出費がございます。そして、補助金を利用したい時に、建築時と同じ補助金が用意されているとも限りません。

補助金がないと出費できないような、補助金頼りの状態で計画を進めてしまうと、将来の改修タイミングで費用を捻出できない可能性が考えられます。
そうした意味で、改修のタイミングがどのくらいのサイクルで必要になるのか、その費用といった点は、計画時に把握することをおすすめします。


最後に補助金の上手い使い方ですが、上記の最後の注意点の内容につきます。
おすすめは、「補助金がなくても工事は可能だが、少しでも費用を削減できるなら補助金を使おう」という感覚での補助金利用です。
ブログを通して皆様にもこのようにお伝えしますし、弊所にご依頼頂いた場合も同様にお話させて頂きます。

注意点が長くなってしまったように思いますが、「補助金利用の際に注意すべき点を知って頂いて、上手く補助金を活用して欲しい」というのが私の願いです。
そういった意味で、今日の内容はいかがでしたでしょうか?
補助金利用について、心構え的な知識を養って頂けていれば幸いです。

ニュースでも話題にはなっておりますが、連日暑い日が続きますね。
皆様も暑さ対策の上、熱中症等にお気をつけください。
それでは、本日も最後までご覧頂きましてありがとうございました。

小田原

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参考

注1 鳥取県 財政化 鳥取県の補助金 令和4年度生活環境部の補助金一覧 2022.7.5

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